
赤い兵士は
赤い兵士は
ホクホク男爵の命を受け
穏やかなトロミをもとめ
戦火をかいくぐった
白い恋人のもとへ
たどりつくまでは
畜殺の悲しみを胸に秘め
まんまる頭な貴婦人の面影を振り払い
芯を失っても耐え続けた
白い恋人のもとへ
たどりつくまでは
黄土色の戦場には
香辛料が潜んでいたが
その匂いに足元を救われながらも
赤い戦士は倒れなかった
白い恋人のもとへ
たどりつくまでは
銀色の新天地へ注がれ
白い恋人と混ざり合い
スプーン一杯の幸せを
君たちにも分けてあげたいから
煮詰まることはなく
サラサラのままで終わらずに
その時が来ることを信じて
コトコトの試練を乗り越える
この辛さも
この涙も
この泥臭さも
調和への前奏曲なのだ
